2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧
また、ドアが叩かれる 「…どうぞ」 「うっとり」が「がっかり」に壊されないよう、冷えた両手に柔らかく握りしめて、 「この音は少し違うかもね」 なんて、舞い上がりそうな心に「じっくり」を被せて大人しくさせる。 ドアが開く か細い隙間から覗くつま先が…
あの日はあなたもご存知のとおり 降ってくるには絶好の星空でした ぼくは月のひかりに流されないよう 必死に流れ星のしっぽにしがみついて 夜のはじっこに着地しました 記念すべき初上陸に ぼくはといえば空を見上げて すっかり遠くなったあなたを探したもの…
夕焼けが一つ枝から落ちて 何かの終わりへ滑空する 去年の夏 白い窓辺に置いてきたジュースの缶と おんなじ色をした君のワンピース そのひらひらした裾は 僕の知らないやつだね 時計の針を5分進めてみたり 新しいスニーカーを買ってみたり 林檎を切らずに齧…
千の掌で顔に触れ 万の足で土を踏む かつては 成功者であり 失敗者であり 奪う者であり 奪われる者であった 凹と凸 滑らかさとざらつき 固さと柔らかさ 牙と羽毛を持つ 私は 私たちは たった一人であり 一つの生物がみる、無数の夢