ティコの灯台

すべてのよだかに灯を。

U

 

夕焼けが一つ枝から落ちて

何かの終わりへ滑空する

 

去年の夏

白い窓辺に置いてきたジュースの缶と

おんなじ色をした君のワンピース

そのひらひらした裾は

僕の知らないやつだね

 

時計の針を5分進めてみたり

新しいスニーカーを買ってみたり

林檎を切らずに齧ってみたり

思いつくことは試したけれど

ふたりで見たひこうき雲

やっぱり戻ってこなかった

 

だからせめて

 

少しだけ、伏せられたまつ毛

濡れてるのには気づかないふり、するよ

 

 

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