ティコの灯台

すべてのよだかに灯を。

嵐の幕間

 

その日はばかみたいに風が強い日で

どうにもこうにもむしゃくしゃしていて

あげく転んで泥だらけになって

このまま死んでもいいなあなんて

ぼんやり空を見上げたら

その日一番の強い風が

希望どころか絶望まで

無遠慮に

吹き散らしていったもんだから

ついでに散らかされた雲の切れ間から

すみれ色の冷たい空が覗いて

きれいだなあ

なんて

うっかり口を滑らせちまったもんだから

まんまと今日も生かされる

 

この、意地悪くうつくしき世界

 

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