2017-12-11 嵐の幕間 その日はばかみたいに風が強い日で どうにもこうにもむしゃくしゃしていて あげく転んで泥だらけになって このまま死んでもいいなあなんて ぼんやり空を見上げたら その日一番の強い風が 希望どころか絶望まで 無遠慮に 吹き散らしていったもんだから ついでに散らかされた雲の切れ間から すみれ色の冷たい空が覗いて きれいだなあ なんて うっかり口を滑らせちまったもんだから まんまと今日も生かされる この、意地悪くうつくしき世界