2018-04-03 わたしよ わたしよ わたしだったものよ どこへ行ってしまったのか 四月の椿が落ちた朝に 松葉に千切られた風が笑う午後に 太陽を灰色の海が呑んだ夕に 潰れた紙コップがやけに目についた夜に もしかして、死んでしまったのか わたしよ わたしだったものよ おれんじの頬にくちづけた春に 髪を切った夏に 光りかたを思い出した秋に それと引き換えに、いくつかの歌を忘れた冬に もうそこにはいなかったのか わたしよ わたしだったものよ それならば それならば この 鼓動は